日本著者販促センターの調査によると、2013年5月時点での国内の書店数は1万4241店。1999年には2万2296店だったから、この15年間で8000店以上も減ったことになる。
帝国データバンクの「出版業界 2012年度決算調査」では、2012年の売上高トップは紀伊國屋書店で約1081億円。次いでブックオフコーポレーションの586億円、ジュンク堂書店と有隣堂が513億円と並ぶ。
数字だけみると大きく見えるが、売上トップ10社のうち6社が前年比で売上減。うち3社は2年連続減収だ。数少ない増収の有隣堂もわずかプラス1.3%で、2011年度には前年比マイナス6.5%だった。
「立ち読み」や「偶然の出合い」でもネットに劣る
ある出版社では、10年も前から「これからの書店は、よほどの特色がないと難しいよね」「これから書店に就職する人は、どんな人なのだろう」と囁かれていたという。キャリコネに投稿された口コミにも、書店で働く人の不安の声が見られる。
「基本給はほとんどあがらない。ボーナスもあまり期待できない。業界全体が不況なので致し方ない部分もあるが、生活していくにはなかなか厳しい」(30代前半・男性)
「斜陽業界なので今後どうなるか分からず、不安が大きい。ノルマ達成が難しいと感じる時もあった」(20代後半・男性)
リアル書店低迷の原因として「ネット書店の台頭」を指摘する声は多い。最大手のアマゾンは、2012年の日本国内の売上だけで7300億円超だ(米アマゾン本社の年間報告書より)。仮に4割が書籍・雑誌の売上だとしても2190億円にも上り、上位数社分を占める。
リアル書店のよさは、立ち読みができることや、本との偶然の出会いが期待できることだ。しかしいまでは書評ブログで本の魅力が語られ、目次構成は出版社のホームページでも公開されている。
オススメの類書もレコメンド(推薦)機能で自動的に表示されるので、在庫を抱えていない小さな書店よりネットの方がよほど出会いが多い。
ネット書店の方が利用者にとってメリットが多い限り、書店不況の原因は自らの改善努力不足によるものと言っていいだろう。
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